DAW での音楽制作環境に適した PC &周辺機器選び

Cbb_daw_pc

「コンピュータで音楽制作したいから、どんなの買えばいい?」 と聞かれた時、
毎回説明するのが面倒なのでメモページを作成しておきます(笑)

2019年現在の DAW 事情を目安に書いてあります(最終更新日:2019年9月19日)

まだ不十分な点などがあり加筆修正中です
気づいた点は都度追加・変更していきます

Windows 基準ですが Mac でも概ね同じ事が言えると思いますので参考にどうぞ

但し、一般的な趣味での自宅録音環境&個人予算を前提にした内容です
スタジオレベル&プロユースの場合、選択概念自体が変わる点もあります

わからない単語・用語は頑張って検索して覚えてください
わからないままにせず、その都度調べて覚える癖をつけましょう


【コンピューター(パソコン)選び】

自作も良いですが、パーツ構成をカスタマイズ出来る BTO ショップが楽だと思います
自作でありがちな、パーツ間の相性問題に出くわす事もないので安心です
(価格だけでなく、保証やサポート体制も重視してショップを選択して下さい)

価格性能比、冷却性能、拡張性、寿命などの面から見て、デスクトップ一択だと思います
スタジオへの持込など、持ち運び必須の場合はモバイル用に別途専用機を買いましょう
(たまにスタジオで録音するだけとかなら、ハイスペックでない安価な物でも可能です)
(又はスタジオ録音用に今時の MTR を使用し、録音素材を自宅 PC に取込むのもアリ)

▼CPU 選び

  • ベースクロックスピードの速い物
    Intel 製 CPU を例にすると下記の様な記載があります
    【プロセッサー・ベース動作周波数 3.10 GHz】
    【ターボ・ブースト利用時の最大周波数 5.00 GHz】
    とにかく「ベース動作周波数」の高いもの(数値の大きいもの)を優先的に選択して下さい
  • コア数の多い物
    Intel 製 CPU を例にすると【コアの数 8】【スレッド数 16】などと記載されていますが、コア数・スレッド数共に多いものを優先的に選択して下さい

可能な限り CPU ではなく、他で妥協する事をお勧めしますが、予算の関係等でどうしても妥協する場合、ベースクロックの低いものにするのではなくコア数を妥協する方が得策だと思います(現在のところマルチプロセッシングに未対応の機能やプラグインがあるため、どうしても1つのコアに負荷がかかるケースが多く、1コアに瞬間的な負荷がかかった場合に動作クロックが低いとオーディオ再生時にノイズが発生したり、酷いとドロップアウトしたりする事になります)

また、将来的に CPU をアップグレード交換する際、CPU だけでなくマザーボートも目的の CPU に対応した物へ交換しなければならなくなる事もありますので、他のパーツと比べて割高になる可能性が高い点に注意して下さい(交換時の難易度や手間も、他のパーツに比べてダントツで高いので避けたいところです)

▼マザーボード

  • 当然ですが、上記 CPU をサポートしている必要があります
  • 後述する搭載可能メモリに影響します
  • 後述する PCIe 3.0 × NVMe 接続 M.2 SSD を搭載する場合、それに対応している必要があります
  • USB3 コントローラチップが Intel 製ではなくサードパーティ製の場合、多くのオーディオインターフェースで重篤な問題となるようですので、後述するオーディオインターフェースと USB3 コントローラチップの互換性について、インターフェース製造元に対して事前に問合せる事をお勧めします
    (残念ながら、ホームページでは情報公開していないメーカーが多いようです)
  • 最近では Thunderbolt 3 対応の物が増えてきていますが、現時点では気にしなくて OK
    (Thunderbolt 3 が必要な人は、恐らくこのページを見ていないと思います

自作をする場合は、マザーボードやビデオカード、CPU クーラーが物理的に搭載可能なケースを選択する事になりますが、併せて大型低速静音ファン搭載の物や水冷システムが搭載可能な物など、静粛性能に優れた物を選択して下さい(防振対策されていたり、吸音材が使用されている物もあります)

▼メインメモリ(RAM 容量)

  • 16GB 以上を推奨
    トラック数や使用する音源によっては更に必要
    単体で数GBのメモリを使用する音源も珍しくなく、高価なオーケストラ音源などを多用したい場合は最初から 32GB 以上にしておいた方が良いかもしれません(逆にロックバンド構成などの小規模プロジェクトで大して音源を使わない場合は 8~12GB でも十分対応可能ですが、さすがに 4GB では厳しいと思います)
  • RAM のアクセス速度
    マザーボードの仕様で利用可能な RAM 規格が【PC4-19200 / DDR4-2400】や【PC4-21300 / DDR4-2666】 等と表記されていて選択可能な場合は、予算が許せば数値の高い高速なものを選択するのが得策ですが、個人的にさほど体感速度に影響するとは思いませんので、価格差を考慮して選択して下さい

注意点として、例えば同じ 16GB でも【16GB×1 シングルチャネル】ではなく【8GB×2 デュアルチャネル】を選択する事で、メモリ帯域が倍ほど変わってきますので特定の処理速度が激増する事になります(シングルチャネルではメモリのパフォーマンスが結構なボトルネックになり、折角の高速な CPU がメモリのせいで十分な性能を発揮できない事にもなります)
ちなみに、最近では【同仕様メモリ×4枚セット】で利用する【クアッドチャネル】まであり、更にメモリ帯域が倍ほど変わってきますが、ここまでくると DAW 環境でどこまでメリットがあるのかは正直謎です

余談ですが、写真撮影した大量の RAW データを Photoshop などに読込んで画像処理を行う場合も、結構なメモリを消費するようですので、画像処理もされる方は併せてご留意下さい

▼ハードディスクドライブ

  • OS 起動ドライブ用には SSD 250GB 以上で通常利用なら足りると思います
    (インストールアプリなどが多い場合は、必要に応じて 500GB 以上)
    予算が許し、発熱対策が十分可能なら SATA3 より高速な PCIe 3.0 × NVMe 接続の M.2 SSD を選択する事で OS やアプリケーションの起動速度などを速くする事が可能です
    (マザーボードが対応している事を確認して下さい)
  • 音源のサンプルデータなど用に SSD を必要容量
    (音源インストール時以外は読込みしかしないと思うので安価な QLC NAND でも OK)
  • プロジェクト等の曲データ用に SSD もしくは HDD(7200rpm)
    (高サンプリングレート&高ビットレートで録音しまくる方は容量に注意)
  • バックアップ用に外付けドライブや LAN ドライブも用意
    (可能ならクラウドストレージも併用してバックアップ)

1台の大容量ドライブを多目的に利用するより、物理的に複数のドライブを用途別に用意してドライブアクセスの混雑を避ける事が安定動作させる上で重要です(ドライブ故障時もダメージが少なくなります)

もし、以前使っていた容量の少ない SSD が余っているなら、それも内蔵させて Windows ページファイル(スワップファイル)設置用ドライブなどとして利用するのもアリだと思います

▼ビデオカード

  • DAW 使用なら最近の Intel CPU 内蔵 GPU(UHD グラフィックス 630 など)で十分
    最近のグラフィックが綺麗なゲームも快適に遊びたいという方は、別途目的のゲームに対応したスペックのビデオカードを追加する必要がありますが、ゲーム用途のハイエンドビデオカードは冷却ファンの音が騒音となり、自宅レコーディングの場合邪魔になるかもしれない点を十分考慮して下さい
    但し、超高解像度ディスプレイをネイティブ解像度で利用する場合や、3台以上のディスプレイモニターを利用する予定がある場合、それらを利用するための性能や端子がビデオカード(または内蔵ビデオチップ)に備わっているのかを事前に確認して下さい

ちなみに、音楽制作をしている方は PV などの動画製作を行う事も結構あるかもしれません
その場合は、ビデオカード性能が動画編集時の処理速度に直結する点にご留意下さい

▼ディスプレイモニター

  • 解像度はフルHD以上で、視力などを考慮したサイズを選択して下さい
    Windows のスケーリング機能を利用しなくてもよい大きめのサイズを選択する事で、後々画面表示系統の問題に遭遇する確率を下げる事ができると思います
    (古いプラグインなどはスケーリングによって UI 描写に問題が出る場合もあります)
  • デュアルモニターやトリプルモニターが便利です
    シングルモニターだと故障時に何も出来なくなるので結構困った事になると思います
    (新しいモニターをネット注文する事も出来ません)

大型ディスプレイやマルチモニターを使用する際は、モニタースピーカーの設置場所なども考慮しないと結構困った事になりますのでご注意下さい

▼キーボード&マウス

  • PC購入時に付属してくるような物は、長時間の使用に不向きで無駄に疲れます
    自分に合った使用感の物を別途用意する方が良いと思います

併せて、デスクや椅子も長時間使用に耐える身体に優しい物を選択しましょう


【録音&再生などに必要な周辺機器選び】

一度に揃えても構いませんが、最低限必要な物から順に用意すれば OK です
音楽制作のスタイルによって必要な機器が変わってきますし、ご自身の知識が増えてから自分の製作スタイルに合った物を好みに合わせてじっくり選択し、本当に必要な機材を揃える事が大切だと思います

▼オーディオインターフェース

  • 最大同時録音数や必要なマイクプリアンプ数などを考慮し、安定性&低レイテンシーで定評があり、ちゃんとドライバ更新などもしてくれるメーカー製の物を選択して下さい
  • ダイレクトモニタリングが可能な物
    レイテンシーを抑える事が出来ないシステムでも遅延無しで録音可能です
    エフェクト用 DSP 内蔵の物だとダイレクトモニタリングでのボーカル録音やギターライン録りの際、エフェクトをかけた状態でモニタリングする事が可能になるためモチベーションが上がるかもしれません
  • USB3 コントローラチップとの互換性を製造元に確認して下さい
    (理由については前述したマザーボードの欄を確認)
  • 外部エフェクト機器をお持ちの方で、それを DAW から外部インサートとして利用したい場合、それを実現するためのルーティング(パッチ処理)が可能な仕様の物を選択して下さい(当然 DAW も外部インサートに対応している必要があります)
  • ネット配信などを行う予定がある場合は、ループバック機能がある物をお勧めします

MIDI 打ち込みやループ音源の貼り付けしかせず、通常再生のみで「録音はしない」という場合、別途オーディオインターフェースを買わなくてもマザーボードの内蔵音源を利用して音楽制作可能ですが、低レイテンシーでの録音再生や高サンプリングレート&高ビットレートでの録音再生には対応していない点、PC 本体内の電気&電磁ノイズなどを拾いやすいためノイズが問題になる場合がある点について留意してください
(OS の再生機能と共存させるために制限が出る場合もあります)

▼マイク

  • ボーカルの声質や録音する環境によってはダイナミックマイクの方が良い結果になる場合もありますが、まずは癖の少ないコンデンサーマイクを選択する方が良いと思います
    (1万程度~色々ありますので、予算に合わせて用意して下さい)
  • 色んなマイクを持っている知人が身近にいる場合は、知人のマイクで自分の声を録音させてもらい、声とマイクの相性などを確認させてもらうとマイク選びが楽になるかもしれません
    (そんな知人が居たら、このページは見てないでしょうけど…)

※ コンデンサマイクの利用にはファンタム電源供給可能なオーディオインターフェースが必要です

ボーカルや楽器をマイク録音する予定がない場合は必要ありませんが、周波数特性表が公表されているマイクであれば、それに基づいて周波数特性を校正する事で、後述する音場測定&補正に利用する事が可能です
(音響測定を楽に正確に行いたい場合は、測定用の専用マイクを用意して下さい)

マイクスタンドやマイクケーブルも必要になりますので、お忘れなく(笑)
(必要に応じてポップガードも用意して下さい)

▼モニタースピーカー&出音補正用イコライザー(EQ

  • 原音再生可能なスペックの物を用意し、自分の部屋に合わせて音場調整する
    高価なメジャー品でなくてもイコライザーで補正可能範囲の特性ならとりあえず OK
    (あまり酷い特性の物はイコライザーでも補正しきれません)
  • まずはメインスピーカーの出音をフラット特性にする事から始めて下さい
    個人的には PC 負荷になる補正アプリより、外部 EQ の使用をお勧めします
    (補正アプリだとヘッドフォンとスピーカーで設定を切替える手間も増えますし、何より DAW にプラグインを挿入して使うタイプの物は DAW の出音しか補正出来ないため、それ以外のオーディオプレイヤーや Windows OS の出音などは補正できません)
  • 高出力の物を控えめに鳴らしたり、低出力の物を限界で鳴らすのではなく、部屋や耳に合った音量を出すのに丁度良い出力の物を用意する方が良い結果に繋がると思います
  • 色んな環境を再現するために複数用意したりするのは後回しで結構です
    (まずはフラットなリファレンス特性にしてからミックスして下さい)

接続例【オーディオインターフェース → EQ → アンプ → モニタースピーカー】

音場測定&補正する際は、必ず普段ミックスする時の音量で行ってください
(音量が変わると出音の特性が変わるので補正の意味がありません)

具体的な測定&補正方法は、各自検索して勉強して下さい(大切な事なので是非勉強して下さい)
私は古いフリーソフトの WaveSpectraWaveGene を使って外部 EQ を調整しています (笑)

ちなみに、音場測定機能を内蔵した EQ やモニタースピーカーも市販されています

▼ヘッドフォン

  • ミックス時にも利用するなら、出音に色付けの少ないフラットな特性の物
    必要に応じてキャリブレーションソフトを利用するのも手です
    Toneboosters Morphit はデモモードでも十分使えます(設定保存出来ないだけ)

ボーカルや楽器などをマイク録音する予定がない場合、ヘッドフォンは必須ではありません
環境が許せば、ヘッドフォンではなくスピーカーでのミックスをおすすめします
(ミックス後、ヘッドフォンでの聴感を確認するのは当然アリです)

▼MIDI 周辺機器

  • 鍵盤が弾ける方などは、必要に応じて MIDI キーボードなどを用意して下さい
    (特に必須ではありませんが、あれば MIDI 入力時などに便利だと思います)
    鍵盤演奏出来ない方は、安価な KORG nanoKEY2 などでもあれば便利です
    (オマケで音源などのソフトウェアが付属したりするので調べてみて下さい)
  • コントロールサーフェイス(フィジカルコントローラー)などもあれば便利かもしれません

必ず、使用 PC やオーディオインターフェースの MIDI 端子、利用 DAW 等との互換性は調べて下さい
MIDI 関連機器は、何がどのように機能し、どのようなシチュエーションでどう使い、それが自分にとって本当に便利な物なのかを調べて判断して下さい(無駄に機材コレクションしないよう気をつけましょう)


【総合的に留意する点】

全てのパーツや周辺機器について言える事ですが、出来るだけ有名で普及率の高い(利用ユーザーが多い)物を選択する事で、様々なトラブルに遭遇する確率を下げる事が出来ると思います(メーカーが各種動作確認を行う際、基本的にメジャーな構成で行う事が多いため)
仮に問題が起きた場合でも、普及率の高い物は優先的に対策される可能性が高く、対策されるまでの時間も短くなる可能性が高いと思います

こういった指南ページは沢山ありますし、貴方の友人や知人も色々な見解を持っていると思いますが、必ず食い違う点があるので「そういう見解もある」と心に留める程度にし、振り回されないようにして下さい
「~が使いやすいです」とか、自分の好みを語る人の見解は話半分で聞いて下さい(笑)
「~で大丈夫です」とか、ろくに要望確認もせず断言してしまう人の話も危険です(笑)


以上、ハードウェア選択についての目安を思いつくまま書きましたが、汎用的な内容ですので使用する DAW やプラグイン、扱うプロジェクトの規模や内容よっては若干的外れな見解があるかもしれませんので、その点ご留意下さい(音楽的・金銭的価値観の違い、延いては見識や人間性によって見解が食い違う事は少なくありません)

また、いくら最新のハイスペックマシンでも Windows の各種設定や周辺機器ドライバなどを音楽制作用に最適化しないと旧型マシンで構築された環境にも劣る状態になりかねませんので、抜かりなく設定しましょう

その点に言及した【DAW 用に Windows PC を 最適化する】ための記事を執筆中、完成時期は未定…


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他社に比べると、パーツ構成の選択肢が多いような気がします